「その幸運は 偶然では ないんです!」(J.D.クランボルツ A.S.レヴィン 著 花田光世 大木紀子 宮地夕紀子 訳 ダイヤモンンド社)

この本を管理人は偶然、インターネットで発見し、タイトルが気になって早速購入して読んでしまいました。この偶然も、この本によれば、「偶然ではない」んですが・・・。

とてもながい、まえがきのような、管理人の読後感想文をまず書きます。

十代の高校生のころに考えたことがあります。
偶然ってなんだ?必然ってどういうこと?ということを、たぶん、通学途中、自転車をこぎながら、考えていました。そんな、なんの得にもならない、成績にも関係しない、受験勉強とは程遠い、無意味で無価値と周りから思われかねないことを、ただただ好きで考える、そんなところがありました。

頭のなかでころがします。反意語というのがありますね。危険⇔安全、凶作⇔豊作、強制⇔任意などが語意それぞれの反意語で、もちろん、偶然⇔必然も反意語です。概念としてのデジタルデータとしてはそれはそのとおり、とは思っていたのですが、

人間の人生の場面場面での「偶然ってなんなの?」とか「必然ってどこからどこまでが?」といった、どーでもいいことを、頭の中で転がして考えることが好きでした。哲学書を全く読まなかったわけではないですが、すこし材料を頭に仕込んで、それからは頭の中であれこれと考えていく、キザな言い方でいうと熟成させていく。

ホントのところは現実逃避がしたくって、そうしたことが気にいっていたのかもしれません。高校生あたりのその頃、大学で哲学が学びたい、と思っていた時期もあります。でも、その頃に考えたことは、ホントの哲学は大学にはない、ということです。

哲学の学問の教授というのは、考え方のバリエーションとか、哲学史とかの知識が豊富であって、哲学の本質とは言い難い方面で生きていらっしゃる、と生意気なことを結論としていたからです。

むしろ、そのころのわたしには、美術家の岡本太郎氏のような方が本物も哲学を実践している、と思えたのです。偶然と必然という命題。そのころに、とても気になって、考えていた命題の1つです。思索の中で、「実は、同じことを見ている、見ている立ち位置が違うだけじゃん。」と思い至りました。

いまでも、この考えはかわりません。解釈の仕方でA方面からは偶然といい、B方面からは必然という、ということがわかったんです。ザックリしているかもしれないですが、これが、わたしなりの解で、いまもかわりません。

同一の事象をある人は偶然と感じ、ある人はそのことを必然と結論付けることができる、というものです。どこの本でも読んでいない、自分の頭で転がして得た、そのころ考えて得た結論です。

こうした話しをしたのは、あまり、偶然、とか必然ということに、引きずられない方が、いいと日ごろ思っているからです。

管理人は、日ごろ、いまがとても幸せ!と感じながら生活しています。以前からそう感じてきたわけではありません。この数年に自然と、そう感じています。その自分に、「その幸運は、偶然ではないんです!」と言われたような気がして、即、読んでしまった、そうした本です。

キャリアをどのように自分の幸せに引き込んでいくか、といったことが書かれているほんです。読み進めていく中で感じたことは、アメリカの若者の行動力を、そのまま日本の社会の若者にそのまま適応することは、まだできないところもあるだろう、ということです。

日本では、職業というものを、初心貫徹していくもの、1生をかけて身につけていく、ものというように考えている方々が、とてもたくさんいらっしゃいます。

すでに終身雇用制度が崩壊している、と言われて久しい今日でも、最初で最後の仕事に巡り合いたい、という強い気持ちがあるからこそ、就活が厳しいものとして学生さんを追い込んでいく、そうした日本の社会です。

たとえ、サラリーマンであっても、定年まで道を離れずに勤めあげる、ということに美徳を求める人々が多い、まだまだ、そうした考え方を常識と思っている方が過半数をしめている、というのがいまの日本の社会と思います。実際にそうした道に進める方々は1~2割程度ではないでしょうか。

アメリカ社会はレイオフといったことが当然行われるということが認知されているので、極端な言い方をするとネットサーフィンのように、コロコロと職を変えていくことが、当たり前の社会です。コロコロしなくないアメリカ人の方も当然います。人間ですから。

そうした、双方の国や文化や社会のいまの現実での相違といったことを、認識した上で読むことで、足元をすくわれない確かな知識として学ぶことができる、そうした盲点に気づきながら読み参考にして頂くことをお勧めします。

損得勘定をしたならば、なるべく職はかわらないほうがいい、ということです、日本では。ぶっちゃけて言うと、終身所得、1生涯での給与所得は多い方がいい、それが1番という方は、軽い気持ちでは退職してはいけません。

それでも、やりがい、とか価値観とかといった部分を大切にして、人生に花を咲かせたいという方もいていいんです。もちろん、意に沿わない形で職をなくしている方にも、とても参考になると思います。

こんな日本も、徐々にアメリカ型のようになっていくのかもしれません。夢といったことを大切にしている方、追いかけてきた夢にあきらめを感じてきている方に、勇気を与えてくれる本でもあります。

各章の冒頭の文章が、いいんです。J.D.クランボルツという方は、スタンフォード大学の教育学・心理学の教授で、キャリアカウンセリング理論の先駆者ということです。そのキャリアカウンセラーの専門家が、キャリアというものを払拭した、こんなことを書いています。

「みなさん、今後一切キャリアに関する意思決定をしないでほしいのです。なぜでしょうか?『キャリアの意思決定』とは、ひとつの職業へ永遠にかかわり続けることと解釈することができます。

しかし、あなた自身も、あなたを取り巻く環境も常に変化しているときに、ただひとつの道に人生を捧げようとすることはばかげています。自分の将来を今決めるよりも、積極的にチャンスを模索しながら、オープンマインドでいるほうがずっとよいのです。」
と。

この本には、沢山の実際に転機を経験した方々からの調査によって構成されています。推測ですが、著者がカウンセリングした方々のその後を追跡調査してまとまられています。

そして、その転身を、チャンスが訪れる前の、見逃しそうなちょっとした判断や実行力の仕方にフォーカスしたり、人との偶然の出会いや、出会った人からのちょっとしたアドバイスを、どのように活かしたかについて、詳細に分析してみせます。

人々の転身がうまくいった事例で、良い判断、良い行動の仕方とはどういったことなのかを、紹介しています。実は、ひとりの自分の考え方や行動で運が開けていける、ということを教えてくれます。自分自身で運をつくりだし、それを活かしていくためのヒントがいたるところに散りばめられています。

「夢が破れたときは、ほかの道に進もう」という節のシトラさんのケースを少し覗いてみると。

シトラさんは、大学では文学を専攻していました。大学のほかの授業で類人猿のコミュニケーションに関する授業をきっかけに、類人猿の手話の研究者になる夢をもつようになります。

学者になることはとても競争が激しく、門戸の狭い世界です。なおさら、類人猿の手話という研究をしていくためには、そのマイナーな研究分野であることも手伝って、一層の努力が必要です。

彼女は、大学で、すべての科目でAをとり、首席で大学を卒業し、手話を使うゴリラの研究の仕事に就くことができました。大学では、この日本でもそうですが、アメリカでも、派閥争い・権力闘争といったことがあるものです。

純粋に研究に没頭したいと考えていたシトラは、夢の職場で、研究活動に打ち込む環境にないことを、そこに身を置くことではじめて知ります。
食べていく手段のみで職にとどまる、とは考えられなかった彼女は、追い求めていた「夢」であったハズの職場を辞めます。

その後、教師・病院での仕事・NPO職員など彼女はいろいろな仕事をしていきます。そうして、自分探しをする中で、どの仕事も自分には合っていないと感じて、途方にくれてしまいました。

そこで、キャリアカウンセラーにカウンセリングを受け、いまの自分の心境を相談しました。「また、自分に合わない仕事を選んでしまう、そうした間違いを、これからもまた、してしまうことに、とても不安を感ずる。」ということを打ち明けます。

何人かのカウンセラーに相談し、その一人から、こんなことを言われます。「シトラさん、人は間違いを犯すべきかもしれないね。間違えることは全然問題ないことだし、むしろ良いことだと考えたらどうかな?そうしないと私たちは学べないのだから。」と。

シトラは、それまで、間違えることはいけない事と考えていましたが、その言葉を聞いて、不安感から解放されます。経験すること自体を大切なことと考え、冒険していこう、と考え方を変えます。

そして、カンセリング心理学に興味を持ち、大学に復学して心理学を学びます。そして、いま彼女は、キャリアカウンセラーとして、母子家庭の母親たちの就職支援をしているということです。

「将来はどんな職業に就きたい?」と多くの人は、1度はこんなふうにたずねられたことがあるでしょう。両親や祖父母から、幼い頃に言われたことがないでしょうか?

「でも、やってみたこともないことに、職業を選ぶことを期待されるなんておかしいとおもいませんか。(第2章)」

「将来の夢を描くことはすばらしいことです。夢見ることを大いに楽しみ、実現するように努力してください。でも、もし夢が計画どおりに実現しなかったとしても、がっかりしないでください。よくも悪くもあなたの人生には予測不可能なことのほうが多いのです。

『夢はきえてしまった』と考えるのではなく、『状況が変わった。さらに自分にとってよいチャンスを探すにはどうしたらいいだろう!』と考えましょう。(第3章)

新しいことを始めるときはリスクがあります。『もし、失敗したら?もしやってみて嫌いになったら?』。たしかに、失敗すればお金と時間と労力がムダになるかもしれません。しかし、リスクをとって、たとえ失敗したとしても、そこから得られるものは大きいのです。

失敗を恐れて何もしなければ、あなたの人生にはどんな幸運も訪れてはくれません。
自分にとって理想的な仕事の多くは、最初は無給だったり、くだらない仕事だったりします。

でも、最初から収入が高くて、責任も重い仕事を期待することはできません。どんなことからでも始めてみなくてはなりません。

しかし、行動を起こすことが重要なのに、それが時として難しいのは、なぜでしょう?

あなたの心の中にある心理的な障害、まず、そうした心の壁を克服することに焦点を当ててみましょう。」

この本には、能力があるとかないといったことに関わらず、だれにでもできる、考え方と行動の仕方、行動の選択の仕方をとてもわらりやすく書いています。若い方に特に有益です。動きながら考える、ということがわかります。

諸外国では暴動などが起きている昨今。国がうまくいっていない。欧米でも若者の失業は大問題になっている。この日本も例外ではありません。国があって社会があって企業があって家族がある。ひとりひとりがいる。

グローバル企業といっても、1つ1つの企業も、とてもシンドイ世の中で生き残りをかけて戦っている、と管理人は思っています。以前の成功体験にしがみついて、一歩間違えると、世界的な有名企業もあっという間に、危なくなります。

そうした社会での最少単位の1個人が生きていく、仕事を得て稼ぐ、ということはとても大変です。長いスパンで目標や夢を抱き続けることのできない世の中を生きている、とも感じています。わたしの場合も、夢をあきらめる、という経験をしました。

どうしたらいいのか、まったく動けなくなってしまった時期もあります。それでも、その時点で、できることから1つずつ、やていくしかない、と気づき、やっと今にいたています。でも、どんどん前に進めていくことに慣れていくと、人生すてたもんじゃ~ない!!、ということが現実に目の前に、必ず現れました。

ここに書かれている人に、特別な人はでてきません。偉人伝の主人公ような人ではないんです。同じ人間として、どなたにもできること、が書かれています。