10/3のテレビ東京のカンブリア宮殿のゲストは印刷・デザイン制作会社の
グラフ株式会社社長北川一成さんでした。

従業員40名の町工場であるグラフには、現在では有名ブランドが印刷依頼をもちかける、無二の会社です。
通常、印刷で色を決めるときは、色見本から選びます。

このグラフでは、色見本にはない色を短時間で作り出すことに成功しました。25年かけて作り出したその色は、どこにもないもので、原色のインクの調合データを1つ1つ生み出し、いまでは7000色以上のデータがあるということです。

2009年に発売された、L’arc~en~Ciel の「LIVE IN PARIS」のジャケット。どの印刷屋さんにもできなかった、断られ引き受け手がいない中、グラフだけが依頼を受け、その凹凸の加工を実現してしまう。
いまでは、依頼先にとって、どんな印刷でも引き受ける、駆け込み寺のようになっているということです。

他の印刷屋さんがやらない、引き受けない、やりたがらないことに商機を見出す。そこから、経営が行き詰まり崖っぷちに追い込まれた下請けの小さな町工場から再生していった会社です。

カンブリア宮殿のような番組からは、経営者の考え方を学ぶことで日々の自分の仕事に応用することができます。個性的な経営者には人の生き方の見本のようなところがあり、自分の起業・仕事・生き方のヒントになります。すでに社長業をされている方々のみに向けられた番組ではありません。

成功しているひとの、イイトコ取りをしていきたいものです。

北川さんは、絵がとても好きです。子供の頃から、現在でも描くことが止まりません。
小学校の1年から6年まで、すべての科目のすべてのテストで、いつも決まって、試験がはじまると答案用紙を裏返して、その白紙の紙にビッシリ絵を描いて提出していたという、相当にヘンテコなお子さんでした。

ありえない、唯一無二の人柄です。管理人はこういう人が大好きです! 

国語の漢字のテストで、「」に燃える太陽。の「」にあてはまるものを選びなさいという問題。1.真白、2.真赤、3.真緑。というのも、白い太陽があってもいいじゃない? 緑色の太陽ってアートな感じでカッコいいじゃん、と思ってきたそうです。
クラスメートからは、「割り切れよ」と言われながら・・。

小学校6年の最後の通知表には、先生から、「とうとう最後まで宿題をしてこなかった・・・。」と泣きの評が書かれます。
机の引き出しに隠していた、表は白紙、でも裏にはビッシり抽象画が描かれた答案用紙の山が両親にばれます。

この表が白紙で裏にビッシリの答案用紙を始めて見た母親は動揺してしまっている。
怖いガンコおやじのお父さんにはきっと殴られると思っていたら、ご両親から泣いて抱きしめられたのだそうです。

「これからみんなで、この不憫なお兄ちゃんを、見守っていこう・・・。」と下の兄弟3人と両親に泣かれてしまった人。自分が情けないとそのときにご本人は思ったのだそうです。

北川少年は、家の裏山へ登って、「虹をとってくる!」と家を元気よく飛び出していくような子供でした。そんなときに、母親が、「このビニール袋に取っといで。」と応じる、そのような育てられ方をしていきます。

父親が経営する印刷の仕事を子供の頃に家族総出で手伝うこともありました。お正月の初売りのための広告を、年の瀬に一生懸命に手伝いました。年が明けて、小学校で古紙回収をしていると、そこには自分が一生懸命に印刷を手伝った広告が「ゴミ」として捨てられてしまっている。

あるとき、父親に、「オヤジは結局、ごみを作っているだけだ!」と食って掛かり、「それが、この仕事の定めだ!!」とたしなめられます。それが、この少年のトラウマになります。

どうにかして捨てられたい印刷ができないか?とそれから試行錯誤がはじまったということです。とても純粋なこころを持ち続ける。

印刷業界は現在6兆円市場ですが、大手の2社の独壇場で、その他のパイを2万社の印刷会社が下請けなどに甘んじてきました。
この10年程で、全国の印刷所は3万社から2万社に激減しています。

グラフももちろんそんな下請けを生業としていた印刷所でした。そして経営が行き詰まり、崖っぷちの時期がありました。そこで北川社長が考えたのがポストカードでした。

通常、版下には1つのデザインが基本です。版下1枚にいくつかの同じデザインを配置するのが効率的です。
実はこのアルミ製の版下が高く、なんとかコスト削減できないかと北川社長は考えます。

効率よりもコストダウンするためにヒラメいた方法。
それは、1枚の版下に16種類のデザインを詰め込む方法です。これで、1/16のコストダウンに成功し、月に3000件の新規の仕事を受託していきました。

これまでにどの印刷所でもしていないコストダウンの方法でした。
そこで問題が発生します。これまでの下請けの印刷の仕事で印刷機械が回らない。
せっかく受託した、今後の売上の核になるポストカードを印刷することができない。

そこでとったのが、自らが「バカ社長」を演ずることでした。

これまでの取引先の方がグラフに訪問すると、そこで、絵を描いている。
「社長。どうされたんですか?」と問われると、「これからは芸術ですよ!」と芸術に目覚めて絵を描くことに取りつかれた、イカレテしまった経営者を演じていきます。

実は、こうすることで、角を立てずに取引先から身を引いてもらう。
この方法で、3年で下請けの仕事から100%抜け出していきます。