Professional
Professional / pjackso

3/24放送のファミリーヒストリーは壇蜜さんでした。わたくしは壇蜜さんはテレビで見る程度しか知りません。

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いちばんよくみているのは、久米書店での壇蜜さん。ナビゲーターの久米宏さんのアシスタントのようでいて、わたくしには普通なアシスタントには見えません。

自分をしっかりと持ち合わせている、脇役ではない主役のアシスタント。

キャラが立っている感じが今までにないアシステントと思って見させていただいています。ご自分のしごとの範囲を狭めてしまって、司会者におんぶする気配がない。

ゲストの主役を食うことは決してしないけれど、久米宏さんに遠慮をしているフーでなく、媚びていません。

「なんならば、わたくし一人で進めてみてもよろしいですが・・」という気配、下品ではない図太さをわたくしは壇蜜さんに感じます。

No description needed
No description needed / rick ligthelm

壇蜜さんの母方の祖父、伊藤正悟さんは実の姉と一緒に生活したことがありません。伊藤正悟さんのご両親はとっても生活が苦しかった。伊藤正悟さんのお父さんは教員をしていましたけれど、2度結婚し、2度目の妻を早くになくします。事情は詳しくわかりませんけれど、こどもを養う糧がないために、正悟さんが2歳のときに伊藤家に養子に出しました。

いちばん上の姉も12歳のとき、愛知県のある家に養女にだされます。お金と引き換えにもらわれていった壇蜜さんの祖父の正悟さんは、まだ2歳で親元を離れたので、親の記憶がありません。もらわれた伊藤家の子供とおもって育ちました。

ものごころがついたあるとき、近所の大人から、正悟さんはどこかからもらわれてきたことを知らされます。正悟さんは「親に捨てられた子だったのか・・・」とこれまでにないほどに悲しみます。それでも、正悟さんはしっかりしていて、農業学校に入学して、その後農林省に入省して公務員になりました。

Couples
Couples / banoootah_qtr

そして20歳で結婚します。

親に捨てられたかなしみは、結婚に対する思い入れを強くしたことも原因だったでしょうか。2年で結婚はうまくいかなくなって、離婚。生まれた子供は兄夫婦に養子に出しました。

昔は男はひとりでいることはめずらしかった。職場でアルバイトのようにして働きに来ていた女性と知り合ってほどなく結婚します。その女性がのちの壇蜜さんのおばあさん。正悟さん夫婦には3人の子供ができました。今度こそ幸せな家庭にしよう。そして幸せは実現していきました。

壇蜜さんのおばあさんが子供のために洋服を手縫いしているのをジーっとみている、とっても喜んで見ている。自分がこどものころに親にしてもらえなかったことを、自分の子供にできる幸せをかみしめます。

正悟さんは当時の超高級品であったカメラを買って生まれた子供の写真をたくさん撮りました。

lonely...
lonely… / Nisha A

自分はじつの親と暮らすことができなかった。なので、こどもには自分の分までセーいっぱいのことがしたかった。そんな幸せはながくつづきません。正悟さんは病に倒れ40歳の若さで亡くなります。

正悟さんの妻、壇蜜さんのおばあさんはなんでもして働きました。当時は女性のしごとはあまりありません。選ぶことなく子供を養うために、電気店の販売員や保険のしごとなどをしていきます。

わかいころ、壇蜜さんのおばあさんは保育士になりたかった。でも家には進学のためのお金がない。手に職があったなら・・・とおもいながらいろいろな仕事をしてゆきます。昼だけでは3人の子供を養い学校に進学させることができません。

day for night
day for night / Hejl

おばあさんはスナックを開店して夜はスナックのしごとをしてゆきます。おばあさんの隆子さんは

頑張りましたね。

だって、わたしが働かなきゃ、
どうにもなんないですもんね。

長女の昌子さん(壇蜜さんのお母様)には、「手に職をつけて自立できるおんなになりなさい。」といって育てます。

わたくしがなんにもなかったから、

資格とかもなかったから、

 

という思いが強かったと隆子さん。その母のおもいにこたえようと、長女の昌子さんは昼間にしごとをしながら夜間の保育士の専門学校に3年間通います。

Study
Study / JSmith Photo

そして、保育士の資格を取得して壇蜜さんのお母さんは働き出します。

保育士のしごとをして、夏休み。おじいさまの命日にあわせて秋田に帰省。そこで偶然電車でであった男性と結婚。ほどなく壇蜜さんが生まれます。壇蜜さんのおばあさんはせっかく資格をとった娘にはしごとを続けてほしいという強いきもちがありました。

そのために、自分のしごとを全部捨て、壇蜜さんを育てる役をかってでます。ご自分が果たさなかった資格を娘には活かしてほしい、という思いでいっぱいでした。

母も父を早くになくして、苦しい時代を生きてきた。

母は絶対に手に職をつけなさい。

女は自立しなきゃダメだよ。

とおばあさんに言われて育った昌子さんは、こどもの壇蜜さんを、進学校の私学の小学校に入学させます。壇蜜さんのためになる最高の教育とお稽古もどんどんさせます。

Feedback checklist
Feedback checklist / AJC ajcann.wordpress.com

壇蜜さんは、日本舞踊を習ったり、中学時代にアメリカに留学をするようになります。やがて、大学では英文科に入学。そして卒業間際では教育実習で母校で教師の指導を受けました。教員免許をとって教師になることは、自分ではよくわからなかったけれど、手に職を得る選択しとして悪くないと考えていました。

家族も壇蜜さんが教員になることを望んでいました。

ところが、いいよ教員になる最終段階で、教師になる自分を想像することができません。生徒に向き合える自信がない。自分には教師は向いていないと悟ります。

親と育ててくれたおばあさんに申し訳ない気持ちでいっぱい。みんなを悲しませた自分ってドーなのか?自信もなくなる。でも、そこから必死で考えた。そして、好きだったお菓子作りを思い立ちます。これ以外には頭に浮かびません。そこで、大学の勉強とはまったく違う調理師専門学校に入学します。そして、洋菓子店に勤務することになります。

fork in the road
fork in the road / dkwonsh

ところが、2年間お菓子の仕事をしてみて、そのしごとをし続けていく自信がもてない。なにかが違うとおもってしまう。知り合いの仲良しの方が突然亡くなる体験をして、ひとの死について考えました。

そのひとが死んでしまったあとでもそのひとのためになることってないんだろうか?

そんなしごとをしてみたい。

自分の”好き”よりももっと大切なことが人生になる気がした。それはひとの死。遺族の気持ち。

私学に通わせてもらい、大学とはまったくちがう調理の学校まで出させてもらって、いまさら違うしごとをしたいと思う自分っておかしい!となんども悩みます。

でも、ドーしても亡くなったひとのための仕事がしたい。そのことで自分の死も考えたかった。そのことだけで頭がいっぱいになりました。壇蜜さんが27歳のとき、エンバーマーになりたい、とご両親に打ち明けます。遺体を生前のごとく修復するしごとでした。

death mask
death mask / Tostito Verde

お母さまは猛反対。遺体に関わることに抵抗感がある。ふつうではないしごと。お菓子の仕事が好きだといってなったのに、なんでそんなしごとがしたいのか?お母さまにはまったく理解できません。

でも、親の反対を押し切って、壇蜜さんは葬儀の専門学校に入学します。そしてエンバーマーのしごとをし、亡くなられたご遺族から、感謝のことばをもらいます。その後、大学の法医学の教室で勉強し、解剖の助手をするようになりました。

教員⇒お菓子職人⇒エンバーマー⇒解剖助手

そんな職歴を重ねた壇蜜さんは、20歳台のおわりに、ご自分の20代の記念碑として突然、グラビア撮影の募集広告に応募します。自分のやりたいことを仕事探しの中で求めてきたこれまでとは違った感覚になったのだと想像します。

One, step, closer.
One, step, closer. / Kamelia Snowfield

たぶん、人生の期限といったことを意識された。しごとではないやりたいことを無性にしたくなった。

グラビアでは大学助手という特異なモデルが新鮮で、表現する才能も開花して現在のような芸能活動へと急展開。

壇蜜さんのおばあさまの隆子さんは、「手に職。おんなの自立」をもって娘と孫を一人前としたかったのだとおもいます。そして、自立した女になるために必死で自分を探しまくった壇蜜さんはあるとき気づいた。

new
new / Luna Jubilee / !bang poses

職業よりも大切なこともある。コノしごと、と決めていく生業ではなく、やりたいことを仕事にしてゆくという真逆の発想を発見したのではないか?

わたくしの父は、「親よりも子供は新しいし賢いものなんだ・・・」と母に言っていたことがある、と聞いたことがあります。親の問題よりもこどもは親より新しい問題を抱えて賢くなる。

親の盲点。

親より子が賢いに決まっている。

あたらしく生まれただけで、すでに親を乗り越えるべく生きてゆくのがこどもなのかもしれません。

おばあさまやお母さまの2世代の生き方で生活が安定し、シッカと根を生やしたご家庭で、それまでは地道に走っていたご両親までの人生を踏み台に、まるで壇蜜さんは空を飛んでいる感覚にあるのかもしれません。自由に解き放たれた。

yin and yang
yin and yang / Salil Wadhavkar

知人の死でタナトスに向かい、こんどはタナトスの真逆のエロスの衝動に自然に従ったことで、解き放たれたようにわたくしには見えます。どのようなしごとでも、一人前になるためには5年といいます。その世界で群を抜くには10年必要。

職業を変える、いちからスタートさせることは、生まれ変わるようなパワーが必要です。おおげさな表現をすると、職を変えることでひとの2倍の人生をいきることになるのだとおもいます。職場が変わると別人に自分がなるほどの変化が必要だからです。

Evolution
Evolution / VeloBusDriver

わたくしも、何度かしごとを変えてきました。変えずに1つのしごとを続けてゆくこともできたけれど、変えてきてよかったと今おもいます。ものの見方が広がるし、いましあわせを感ずるのは、変えたからコソだとおもうのです。

でも職を卒業することは1度死ぬような面がある。落第(イヤだけで他人のセイで辞めることは落第です)しては振り出しだけれど、卒業(すべきことをやりきって世界を広げるために窮屈から脱出すること)すると2度目の人生を生きながら始めていけると私はおもいます。壇蜜さんはことしで芸能のおしごとをはじめて5年。

Flight of Fancy
Flight of Fancy / PhotosByDavid

優良企業がしのぎを削り企業の”ブランド化”を理想としている世の中で、手に職を通り超してご自分を期せずしてブランド化してしまった壇蜜さんは、今回の「女性の自立」というNHKの編集方針とは真逆になりますけれど、今後、専業主婦になって子育て1本で生きることに決めてもよいとわたくしは思うし、そんなことも許される境地に達していると壇蜜さんを見ていておもうのです。

あなたが迷っているならば、選択することが可能であるならば、その幸せを使い切って、したいことはためらわずにしたホーがよいとわたくしはおもいます。
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