仕事を終えて帰宅途中で夕食をしていると、隣で若いカップルなのか夫婦、男性が女性に会社の出来事を話していました。聞くともなく聞こえてきます。上司の性格が普通ではないということ。

「おかしいんだよ、ね。それでさ・・・」と悩み事を打ち明ける。女性は聞いてあげている。

その「上司」とは、人によっては、親であったり、担任の先生だったり、隣の住居人、友人、電車で乗り合わせた他人などなど、さまざまなのだと思います。

散々説明してソレではまずいと上司に説明したのちに、ソレが採用されて、時間経過すると、「ソレはだめではないか?」と叱られる。「散々説明してソレではまずいと上司に説明したのにナ・・・」。

いま、2018年3月10日は韓国でパラオリンピックが開催されています。パラオリンでなくとも、オリンピック選手の中には、子供の頃に病弱で、そこから体を鍛えるうちに、才能が開花して活躍し選手となって、オリンピックのメダリストになったという選手がいます。

その選手も、子供の時点に戻れば、「なぜ、わたしだけ体が弱いの?」という理不尽な悩みを抱えていた事でしょう。その子には責められる事はないし、親にもない。

その子には責められる事はないし、親にもないのだけれど、「普通ではない理不尽を被る」という事は、少なくない。

今回は、お仕事の場面にポイントを絞って考えます。

「おかしいんだよ、ね。それでさ・・・」と上司の事での理不尽を打ち明けて、悩みを解消したい方々は男女を問わず多いと思います。

出家の覚悟―日本を救う仏教からのアプローチで、アルボムッレ・スマナサーラ長老と南直哉住職との、こんな会話があります。(アルボムッレ・スマナサーラ長老とは、初期仏教=上座部仏教=テーラワーダ仏教のお坊さんでスリランカから日本の幡ヶ谷に住まれている有名人と対談本も書かれているかた。

南直哉住職は早稲田大学卒業後、百貨店勤務の後、サラリーマンが合わずに永平寺で修行をされた異端の気鋭の実践派の良心の塊のような住職です。)

スマナサーラ長老:「仕事をしている女性たちの、職場での悩みという事でいえば、仕事をしても認めてくれない事、もうひとつ、職場でのお茶くみの事ですね。

お茶をいれるのは女の仕事だと言われて、いつでも自分たちの仕事にさせられる。それが、すごく腹立たしいのですね。本人も本当に能力があって、しっかりした仕事をしているのにもかかわらず、みんなにお茶をいれて配ってあげなくてはいけない。

そのときの上司の言い方が『お茶を入れなさい。』『お茶!』などと来る。

そうすると、自分よりも下の年下にもお茶をいれなくてはいけない。当然、すごくプライドが傷つきます。」

南直哉住職:「それはそうでしょうね。」

スマナサーラ長老:「しかし、私の答えは、『それは私も認めます。人間、差別してはいけません。上司がけしからんということは、はっきりしています。しかし、あなたが女性だから頼んでいるのです。だったら、いれてしまいなさい。そんな事は気にすることはないのです。』ということです。」

南直哉住職:「ええ、ええ、ぼくも、そこで、『いや、そんなことはけしからんから、絶対反対しろ』という態度は、たぶんとらないと思いますね。」

スマナサーラ長老:「どうせその連中は、『お茶をいれろ』と命令するくらいしかできないのです。『だったら、やってしまいなさい。あなたの強みは別なところにあるのだ。』という事です。もちろん、論理的には間違いです。とんでもない話ですね。」

南直哉住職:「そうなのですよ。」

スマナサーラ長老:「だからと言って、あの連中が直るわけがありません。」

10年以上出版されてから経過しているので、こんな職場は今では少なくなっているのかもしれません。女性の立場からは、「男同士の会話はコーだからネ~」という声が聞こえてきそうにも思います。

スマナサーラ長老のいう「あなたが女性だから頼んでいるのです。」の部分と「だったら、やってしまいなさい。あなたの強みは別なところにあるのだ。・・・」に納得がゆかない、という女性は多いと推察します。

私は、フェミニズム運動の先頭にいた女性(テレビに出ていた人もソーではない人もいます)とその方を取り巻く女性の勉強会のようなところに身を置いていた時期があります。取り巻く女性だったら言いたいだろうな、と想像したのです。

女性の立場であれば、「女性だから」と言われると、ソコが差別の根幹と感じるし、「やってしまいなさい。」と言われると、「やっています。だからといって、当たり前に思われても困るのです・・・」と感じるでしょうか。

2018年の今であれば、黙ってやらない、無視する、という方もいるでしょうか。すると、立場は悪化する、損なことになるでしょう。

「あの連中が直るわけがありません。」

ここをドー考えるか?

女性の苦しみをその上司にわからせて反省させる事ができれば、直せる、という希望があるから、納得がいかない。悩む。差別がない社会は実現できる、と考えているし、自分にはしていはいけないとわかるので、彼らにも自分のような考え方になってほしい。

あの連中は直るのか?

ひとりひとりでは叶わない。直らないから、強制力で規則や法律で、のさばらせないよう取り締まりたい。フェミニズム運動周辺の女性や男性であればこのように考えている事でしょう。

スマナサーラ長老のいう「あの連中が直るわけがありません。」という意味は、女性には時間がない、人生には有効期限がある、という根本的な前提があるから発せされた言葉なのだと思います。

子供を産むのか産まないのか?

ゆっくりのんびり構えている時間はない、という意味で「女性には時間がない、人生には有効期限がある」と私は言いました。

時間がない、限られている期限の中で、女性が幸せに生きる。

そんな事は軽くやり過ごして、さらっと忘れて、別な、自覚してわかっている、あなたの大切な能力を磨く。

ソコに専念したホーが、幸せに生きることにつながる、とスマナサーラ長老は言いたいのだと思うのです。

冒頭の、カップルに戻ります。

悩むを打ち明ける事は大切な事。聞いてくれる人がいるって素敵ですよね。でも、スイッチを切り替える事ができるともっと楽ちん。

仕事を終えたら仕事は忘れる。

仕事より楽しいものを見つけてすると自動的に、スイッチを切り替える事ができる。

スイッチを切り替える事ができると、「明日は早く仕事を終えて一緒に映画でも見よう。何がいいかな・・・」と夕食の時間が楽しく・面白く変わったかもしれません。