yoga女性後ろ著者のひとり本田唯識(ゆい)さんは31歳のときにガンを患い余命数ヶ月と宣告された方です。

その本田さんの誘導で瞑想レッスンをしていくことができます。(CDが付属されています)

初心者になじみやすい瞑想方法と感じました。(写真はイメージで紹介の書籍と関係はありません)

余命わずかであった本田さんの声が透き通るようなクリアな音でココロが和みます。

本田さんは、2006年に台湾旅行をされた際、チベット密教の僧侶が占いをしているという寺院を訪れます。本田さんが生年月日を伝えると、「祭壇に向かって瞑想をしていなさい。」とやや険しい表情でいきなり言われます。

他の占いを受けた旅行者とは本田さんは違っていました。生年月日を聞いて僧侶は特別な人として本田さんにぶしつけに瞑想をすぐにするように促します。このはじめての瞑想では、「15分くらい経ったかな?」というくらいのタイミングで、同行の友達に肩をゆすぶられて我に返ります。

実は2時間が経過していました。ご本人はとても驚かれたそうです。そして、先ほど険しい表情であった僧侶がにこやかに現れ「瞑想はあなたの使命です。」と言われます。その後、瞑想の権威と評される尼寺を紹介され早速滞在して瞑想を学びます。

尼寺では早朝の食後の7時くらいから瞑想がはじまり、そのまま座り続け、気がつくと夕方の6時になっていた、ということです。凄い!

もうひとりの著者である篠浦伸禎さんは東京大学医学部を卒業後、脳神経外科医をされ現在は都立駒込病院で脳神経部長をされている現役のお医者さんです。小難しいことは割愛しますが、脳全体の司令塔のような役割が回状帯(かいじょうたい)にあります。

脳には内側に動物脳(大脳辺縁系)があり、外側に人間脳(大脳新皮質)があります。動物脳は、恐怖・不安・不機嫌な感情・攻撃性を誘発しやすい部位で、その動物脳と人間脳の間にある帯状回には、ストレスを克服したり記憶力を高めたり、人間らしく脳を働かせるための司令塔の役割があることがわかってきました。

この帯状回を活性化してくことは、動物脳の過剰な反応を抑え、脳全体をイキイキと使って、幸せな人生を生きていくために重要だと篠浦さんは仰います。本田さんの瞑想指導により、

瞑想をされた方々を検証した結果、うつ病・自律神経失調症・不眠症・不安神経症・更年期障害・依存症・パニック障害・対人恐怖・認知症に高い確率で効果が確認された、ということです。(個人差はあると思いますし、明らかな病気はまず病院で診察することです!)

とても信じられない文章を紹介します。この本の冒頭には、瞑想指導を受けていた方で、宮城県石巻市で3.11に被災された女性の方のメールの内容が綴られています。本田さんが震災直後に「・・どうしたらいいでしょうか?」と質問を受けた教え子の方です。

「わたしには目の悪い母がいますので、地震のときは母を連れて逃げることで精いっぱいでした。パニックの中、とっさに本田先生にメールすると、すぐにアドバイスを頂き、『そうだ、瞑想の呼吸をすればいいんだ』と思い出すことができたことです。

・・行き場を失った人たちであふれかえり、建物の中で母親と私の2人分のスペースを確保することはとてもできません。仕方がないので母を屋内に残し、私は建物の外で過ごしました。

まだ、寒さ厳しい折でしたが、不思議なことに『なぜこんな目に遭わないといけないんだ』というようなことはまったく頭に浮かばず、いら立ちや腹立たしさもなかったのです。瞑想にはマイナスの感情を鎮める効果があると教えてもらっていましたから、きっとそのおかげだと確信しました。

毎日、瞑想しているせいか、私はずっと冷静でいられます。パニックになったのは、地震直後に先生にメールを送ったあの瞬間だけです。」この続きのことばが凄すぎました。

「わたしはこの震災に遭ってよかったと思います。」。

被災されたその女性の方の「わたしはこの震災に遭ってよかったと思います。」という言葉の意味を本田さんは、「このような試練を突き付けられたからこそ、学ぶことが沢山あった。」ということなのです、と仰います。あなたには信じられますか?

個人的な体験として、わたしが瞑想めいたことをしてきて感ずることは、父の突然の死にあっても、冷静でいられた、ということです。悲しみの感情に振り回されることなく、日常生活に戻れました。「あのときにあのようにしておけばよかった・・」といった後悔のようなココロもちにもならずに済みました。

「父にできうることはやったよな・・」という思いにもなれました。

普段の仕事の場面などでも、集中力が格段に高まったと感じます。余計なことをついつい考えるようなタイプの人間でしたが、今すべきことに集中できるように変わりました。二十歳の頃にはパニック障害のような症状で救急車のお世話になってしまったこともありますヨ。

瞑想でも座禅でも呼吸法でも名称はなんでもいいんです。わたしがあのような被災をして平気でいられるかはわかりません。それでも、わたし自身が運を好転することができたのは、瞑想をしてきたからだと思っています。

日常的にも、いら立ちや腹だたしい気持ちをあまり持ちません。いつも「幸せ」な心でいられます。イヤな気持ちにすぐに気づいて、イヤを断ち切ることが自然にできます。被災された女性の方の感じがとてもよくわかります。

実は信ずる必要はありません。信心ではない世界だからです。誰かに洗脳されるマインドコントロールではありません。誰にでも簡単に、いつからでも始められる。最初は何も変わりばえがしないと感ずる方のほうが多いと思います。

それでも、「なぜか最近不快になったり、悲しくなったり、怒ることが少なくなったかも?」といった感覚を実感されると思います。少しづつやっていき、少しづつご自分で検証することでわかります。

世に瞑想法は沢山あります。危険な方法も実はあります。もっとも安全な方法は初期仏教のヴィパッサナー瞑想と私は思っています。そして今回紹介する本田さんの瞑想は、とてもヴィパッサナー瞑想に近い方法です。

瞑想中に雑念が沸いたときに「妄想妄想妄想」(ヴィパッサナー瞑想の仕方)という代わりにこの本のCDでは「か・ん・が・え・た」とゆっくり言います。瞑想中の呼吸での意識を丹田に集中させて「ふくらみ」「縮み」(ヴィパッサナー瞑想の仕方)と繰り返すのに代えて、鼻での吐く息の流れる感じに集中する、といった程度の違いです。

CDの誘導と流れる音楽にまかせて30分弱で瞑想することができるので、はじめての人がはじめやすいと思います。要領がわかったら毎日5分でもいいと書かれています。

電車の中でも公園などでも、もちろんご自宅でも、どこでも呼吸法をしていく。肩の力を抜いてトイレで用をたすことと同じくらいあたりまえな習慣にすると人生がガラッと変わります。

車の運転中などは危険なのでお勧めできません。通学や通勤途中が習慣化するには打って付けの時間ではないでしょうか?ほんの5分~10分やっていく。ほんの少しスマホの手を休めたり本を閉じてやってみる。

すこし変なことを言うと、この世でも幸せになって、さらにあの世にも持っていけるホントの人間のスキルが身に付くのではないかナ、と日ごろ私は感じています。

初期仏教の長老で日本で瞑想指導をされているアルボムッレ・スマナサーラさんは、この世で人間ができ得る最高の善行為は瞑想すること!と仰っています。違和感大アリですよね。

お坊さんのやり方に興味がある方なら、初期仏教という釈迦様の方法を取り入れてみる。徐々に瞑想に導かれていったという本田さんのような体験に魅かれる方なら、本田さんが勧めている方法から始めてみる。

いずれにしても、私が実験して成果というかよりよく自分を変えていくことができたので、苦しみの大きい人ほどやっていく価値が高いと思いますヨ!!

病を得ることで、一度立ち止まり、大きな石を手に握り立ち上がることで、その後に飛躍していく。病に罹らない方には、そうした石にであうチャンスがありません。わたしはこのような石を拾いました、という体験に基づいて。

病を得るということは、どの栄養が不足しているか、何が足りないのかをココロと身体で感じ取ることです。何が足りないのかを知ることのできる好機という事も出来ると私は思います。病とは文字通りの病気のみならず不運・試練・失職などに置き換えて考えていいと思います。

人生での不運でも試練でも本質は同じ。何かを気づかせるための神の示唆なのかもしれません。実は生まれてくる前のあなた自身がその病・不運・試練を人生の計画にしっかり盛り込んでいたのかもしれません。

現実離れした考え方かもしれませんが、そうしたことも「もしかしたら・・」と考えていくと、俄然合点がいき楽しく実験ができると思います。お金はかけなくっていいんです。対価と効果は関係ありません。気楽に続けるだけでいいんです。

ストレスフルな日常であっても、はじめると楽に生きていくことができる方法がココにあります!!

どのようにして本田さんはガンから生還されたのかを私は知りません。今では元気になられた本田さんの声は、それにしてもクリアな澄んだとてもいい声です。