優良な就職先、「良い企業」を選ぶことは簡単なことではありません。有名企業や大企業、就職人気ランキングの上位を占める企業なら安心か?というとそうではありません。

世間一般に優良企業と言われている会社の中には、かなりのダメ企業があります。5700人の社長と会ったカリスマファンドマネージャーの藤野英人さんは、まず第一に「良い会社」とは、「今後成長する会社」と定義しています。

これまでに成長し切った会社でも、いま大きくなっている会社でもなく、今後の成長性のある企業でなければダメということなのでしょう。具体的には、テレビやネットのニュースに毎日のように出てくる株価。その企業の株価でその企業の成長性はわかります。

でも、この「マスメディアに登場している平均株価」は、じつは日本のすべての企業の実態を表しているわけではありません。

「儲かる会社、つぶれる会社の法則」で藤野英人さんは、「日経平均は死んでいる」と強烈な物言いをされています。日経平均の株価というのは、大企業の一部の225社の平均株価をいい、TOPIXというのは、日本を代表する30社のみの株価の平均値です。

TOPIXの30社の株価は2002年末を100とした場合、2011年にはマイナス24%という惨憺たる結果になっている、とおっしゃいます。そこで藤野さんの投資セミナーで受講生の方々にこうした質問をするそうです。

「すべての上場企業のうちでこの10年間に株価が上昇した企業は全体の何割くらいだと思われますか?」と。(「儲かる会社つぶれる会社」は2013年2月に出版されており、2011年までの10年間という意味で解釈してみてくださいネ)

あなたは、どのくらいだと思われますか?

セミナーに参加されている方がたのおおよそは、「2割くらい。」という回答だそうです。

正解は、約7割です。

上場企業2602社(金融は除く)のうちの1705社、65.5%がこの10年で株価を上昇させている。この株価が上昇している企業の営業利益はこの10年で倍(98%)近く伸びています。年率で7.1%。違和感大アリでしょうか?

最初にお話ししたことにすこし戻ります。
藤野英人さんは、まず第一に「良い会社」とは、「今後成長する会社」と定義しています。
では、今後成長する企業とは何で調べればいいのか?

それは、個々の企業の株価でわかります

この10年間で業績を伸ばしている企業は、この10年間の株価の推移が上昇している企業。そうした企業が、今後成長する会社です。正確には近年成長しており投資家が今後も成長すると判断している企業です。まず第一にザックリとした選別、「良い企業」の見分け方についてお話ししました。

次に、経営者、社長についてです。

藤野さんは、きっぱりと「サラリーマン社長の会社は成長できない。」と切り捨てます。

サラリーマン社長がダメな理由として

・自分が選任されている期間をつつがなく乗り切れば良いという思考がまず優先してしまう。
・「みんなで決めた」という形をとって、自分ひとりがたたかれないように根回ししてしまう。
・民主的プロセスからは、誰かに嫌われるほどの革新的なものが生み出せない土壌がある。

ということです。会社勤めされた経験のないかたにはピンとこないことばかりかもしれません。

マーフィーの法則に「食べられないものでも、細かく砕くと食べられる。」というのがあるそうです。「食べられないものはいくら小さくしても食べられない・・」と思う方も多いと思います。

お子さんの頃、お母さんから、嫌いな野菜などを細かく刻んで、またはすりおろしておかずに入れられて食べさせられたという経験のある方も多いと思います。

企業経営では、「間違った意思決定でも責任を分散することで通せる」ことになる。または、決定プロセスを細分化することで、結局、責任をとるひとがいなくなり、サラリーマン経営者は安泰、ということはよくあることです。

みんなで決めることにしている会社の社長はヤバイということがすこしお分かり頂けたでしょうか?

では、どのような社長ならイイのか?

社長が会社の顔になっている企業は成長している、と藤野さんは言います。具体的な例では、TOPIX30の企業の社長はよくわからないけれど、成長している企業のソフトバンク、楽天、ファーストリテイリング、サーバーエージェントなどには強いリーダーシップをとっている社長がいる。

意思決定が早く出来て、実際の施策のスピード感がより重要になっていくであろうこれからの時代には、やはり、良い意味でのワンマンな部分が必要だとわたしも思います。オーナー社長でなくっても、雇われ社長であっても、強いリーダーシップがとれる企業であることが、良い会社選びには必要です。

オーナー経営 =  ワンマン経営  ということをネガティブに見てしまうのが普通なことなのかもしれません。

しかし、サラリーマン社長というのは、どちらかというと、経営者ではなくって「サラリーマン」の部類になると私は思います。経営者は無論、社員であっても起業家精神があることが大切と言われるこれからの時代に、「生き残る企業」を選びたいのであれば、藤野さんの仰ることが正しいとわたしも思います。

テレビにも度々出演されている稲森和夫さん(京セラ創業者でKDDIを作り上げ、日本航空を再建された方で、なぜか中国で信奉者が多いそうです)は、アメーバ経営とよく仰ります。松下幸之助さんが事業部制を編み出し、その進化系がアメーバ経営なのだと私は解釈しています。

トップダウンで指示待ちな社員ではなく、人体の細胞の1つまでもが経営的な思考で、小さな数人のチームでもコストを考え、利益を考えていく、そうした末端おも経営意識を持った企業体のことをアメーバ経営といいます。

大きくなった、大きくなってしまった企業には、こうした細分化の施策が必要なのでしょうけれど、もともとの中小企業であれば、1つの企業体自体がコンパクトなのだから、より効率的にこれからの時代に対応していけるに違いないと私は日頃から考えています。

これからは、大きくなることが正しい、大きくなるのがイイ企業といったことにもならないだろうと思います。大きなタンカーで荷積みはいっぺんに全て済まし、1つの場所にすべてを下ろすような企業形態が高度成長期までの重厚長大の企業のありかたでした。

これから、いや今すでに、沿岸の数ある拠点に何度も停泊して商売をする小回りの利く船でなければ、こまかな商いができない時代になりました。船が必要以上に大きくなる時代は終わったのです。

辛辣な言い方をすると、カリスマファンドマネージャーは警告しているんです。正確には警告しているのではないんですが、就活生に向けた言葉の響きのみを考えると私には、「これから、手で握り取ろうとしているものをじっくり吟味したほうがいい。」という警告に聞こえます。

「日経平均は死んでいる。」。

死にかけた魚を手に取ろうとしていないか?

でも、そうした企業に、希望をもって応募して採用されることがイイという向きの方々が止まりません。大丈夫でしょうか?

もちろん、今日明日にでもつぶれる会社ではありませんし、藤野さんはファンドの世界で「株価が死んでいる」といっているのでしょう。でも、半年後には大量リストラが行われない、と言い切れるのか?

ソニーは株を無配とし、伊藤忠商事もこの9月21日に東証のみを残して上場廃止(売買高が少ない為手数料を抑える為と日経新聞では報道していますが、それだけなのか?・・・)となるようです。どちらの企業も日経平均銘柄ではありませんが、かつての日本を代表していた誰でも知っている企業です。

そして、この直近の2年程は日経平均も上向いた。人手が足りないほど景気がイイ、と言われています。個人的にはこの「景気がイイ」というのは、「景気がいいことにしておきたい」希望に思えます。これまでと同じ業態であって、後発国に軍配が上がっている分野が多いからです。

個々の企業経営ではない因子であるからこそ、この好景気にあっての株配当無配、上場1部(1部分)廃止とは読めないか?

そして、日本国内の報道では韓国のサムスンに対する弱体化に関する報道が、実態よりも過剰になされている。日本国内のメディアは実態を伝えていない。どうやら張本人はそれほどのダメージになっていないようです。

テニスプレーヤーの錦織圭さんやオリンピックのレスリング選手の吉田沙保里さんが対戦相手に「勝てる」と強くイメージしておくことはあたりまえのことなのでしょう。

でも、報道に「希望」が入り込むとそれは事実ではないので結果「こんなはずではなかった・・」となるのは、その「報道」を受け、信じさせられていた方になるのではないでしょうか?あなたが、10年後、20年後に、「こんなはずではなかった・・」という当事者にはなって頂きたくないんです。

このところの「好景気」によって、一時的に給与が上がった人は多いかもしれません。それでも、健全な経営をされている企業では、2年後以降も給与を上げ続けられると考えている経営者はたぶん、あまりいないと思いますヨ。(各企業の総合職の中のごく一部のエリートならばグンとアップすることもあるでしょうけれど)

就活や転職の場ではやはり今後の成長性がある企業を選ばれるのがイイと私は思います。過去の栄光にコダワッテいる、古い頭で考えたい方は、どうぞご自由に。世の中が変わっているのに、その変化に気づこうとしない、変わりたくないというかたがいてもいいんですから。

そして、多くの方々が見ていない方向にこそ、これからの時代を担う優良企業がある。今後の伸びしろの広い企業は立ち上がってもいます。東証1部よりも2部にこそ、将来性の高い企業がひっそりとでも、したたかに成長している。新しい頭で調べてみませんか?

時代の変わり目には、これまでとの違いに気づき、気づきの眼差しで企業を見、就職のしかたそのものにもこれまでのやり方に疑問お持ち、決まりごとでこれまで使われてきた使い古された「成長性」ではない「ホントに成長していけるには?」をキーワードに職の場を調べて考えてみる

あなたと仕事との関わり方を変えていくのでもイイ。変えていっていいんです。もうそんなことを感じはじめ、明確な未来のビジョンを携えて行動している若者が増えています。
(つづきます)