12/4の東テレのカンブリア宮殿に取り上げられた”貝印”か製造している旬(Shun)という包丁はニューヨークで世界の料理人から絶大な支持を得ており、累計400万本を売り上げているという。この旬(Shun)は、小さいものでも1本120ドル=1万4000円で普通の大きさのものは165ドル=1万9000円する、かなりお高い包丁です。

この旬という包丁は、どの包丁とも異なるのは、日本刀のような波紋の美しさにあります。2002年にアメリカで販売を開始しました。カンブリア宮殿で取材に応じていた夫婦はブラジルからの観光客で、三徳ナイフという商品が気に入っていた様子。その夫婦は10万円以上も大人買いされていきました。

ニューヨークの貝印の包丁を取り扱うお店の店員によると、「ドイツ製の包丁のしっかりしていて長持ちするけれど、一度この”旬”を使うと戻れないのよ。」とお話ししていました。

ニューヨークで味にうるさいニューヨーカーに人気のフレンチレストランのコック長のピエール・ランデットさんは「持っていてバランスがいいんだ。美しいしね。この包丁はアメリカで一番人気になっているよ。最高の切れ味で仕事が楽しくなる。」といいます。

プロがべた褒めするその包丁は、岐阜県の関市の貝印が製造している。岐阜県関市では、鎌倉時代の刀鍛冶の伝統を受け継ぎ、いまでも刀鍛冶職人が日本刀を生産している。

世界的に有名な刃物の産地のことを”刃物の3S”といい、

日本の関市:Seki
ドイツのゾーリンゲン:Solingen
イギリスのシェフィールド:Sheffield

があるのだそうです。

貝印はグループ企業で、今年の経営スローガンが番組で撮影されていました。

「創意工夫 Putting innovation into practice」

社是は

1.お客様に感動とよろこびをおとどけしよう。
2.社会とパートナーの繁栄のために努力しよう。
3.すぐれた価値をマークでしめそう。
4.感謝と礼儀をもって和を築こう。
5.業務の革新をはかり社運の発展につとめよう。

です。貝印は世界の刃物3Sの岐阜県関市でも最大メーカーです。本社は東京と岐阜の2か所。創業は1908年、社員は2900人。この貝印では1日に10,000本の包丁が製造され、シェアは40%でトップ。包丁以外にもカミソリを製造しカミソリもシェアも40%、実はカミソリを初めて製造したのがこの貝印。カミソリの刃先は0.03ミクロン(10万分の3ミリ)まで仕上げる超精密な技術が必要で、そうした技術力はほかにはない。

実は、貝印はこうした刃物の製造をする機械を独自開発している。そうした製造機械を作る、製造本部の川島さんは、
「こうした機械にはいたるところに当社でなければ知りえないノウハウが詰め込まれいるので、社外で作るのは無理」と仰っていました。そうしてこだわり尽くされたカミソリは製造されておしまいではないのが貝印株式会社のすごさです。

貝印では、ヒゲ本数測定用のプログラムを独自開発しており、その人のヒゲの人口密度?を測り、どのような生え方のひとにでも快適に剃れる技術を開発している。実は、貝印ではこうしたカミソリを発祥とし包丁も作っているけれど、くしつきのマユ切りハサミを初めて製造していたり、ハサミや爪切りなども製造しており、その点数は1万点もの種類にのぼる。

そして、貝印は日本以外にもアメリカ、中国、ベトナムに工場を構えている。アメリカ工場ではアウトドア用の斧を製造していたり、軍隊用のアーミーナイフも製造している。その貝印のナイフは、アメリカのナイフオブザイヤーを6年連続受賞している。アメリカで貝印はカーショウ(Kershaw)やゼロ・トレランス(zero TOLERANCE)といった独自ブランドを開発した。

その貝印のナイフは全米シェアNo1で、警察官の救護用のナイフとしても利用されている。オレゴン州テュアラティン警察署に勤務する警部補のピッカリングさんは、車の中で腹を刺されていた東やの車のガラスをナイフで割って、シートベルトを切断して救助したという、救護用の貝印ナイフの愛用者。

いまや貝印は世界79か国で420億円の売り上げを上げている。貝印社長の遠藤宏治さんは、「刃物には三大要素があって、材料・はつけ・熱処理の3つのこの工程をきちっとやる包丁はいい包丁」なのだと仰ります。そして貝印は手抜きをせずにこの3つの工程をしているので値段が高いということです。

現在の貝印の売上げで一番高いのは、キッチン用品で38%、次いでカミソリが22%、美容関連(爪切り、理容用ハサミ)が21%、そして特殊刃物が19%となっています。なぜ商品が1万点になったかというとそれは、販売店で貝印の置くスペースを確保していくため。商品が増えることである程度の広さのスペースに商品を並べておくことができ、店舗側に貝印の商品を置いてもらう提案をしていくために必要があったということです。

そうした貝印は異業種業界の医療分野にも打って出ています。皮膚科用のトレパンは世界シェア50%。トレパンというのは円柱型の簡易手術のメスのようなもので、おできなど小さな患部の局部だけを採取することができる。通常のメスによる手術より傷を小さくし出血も少なく患者にやさしい医療器なのだと岐阜県総合医療センターの皮膚科部長の前田医師は仰ります。

医療用のメスなどの医療分野で貝印は年間30億円を売り上げるまでになっている。

社長の遠藤宏治さんには1つのこだわりがある。毎年社内報を作って、全社員参加で今年の目標を書き写真入りで制作している。まるで卒業アルバムのような社内報。普通、企業の社内報は月単位であったり期ごとで配布されるもの。社員は家族のようなものであり、家族を大切にしたいとの思いから、社員の中には出産の報告などを書いていたりする。

ちなみに、なぜ”貝印”なのかといえば、二代目社長の遠藤斉治朗さんの幼名・繁(しげる)がシゲル、シゲル、シゲル⇒シェルに似ている、ということでシェルは貝だ、ということで貝印と命名されたのだそうです。

三代目社長の遠藤宏治さんは番組の中でこう力説する。

「立ちどまっていたら、それは下りのエスカレーターに乗っているようなもの。立ちどまるとドンドン下がっていってしまう。伝統のある会社ほど新しいものにチャレンジすることが、結果として伝統を守ることになる。」

東洋経済新報社の就職四季報によると、求める人材として、考動(行動ではなりません)できる人、あきらめない人、としています。アメリカ進出の際に子会社の業績が思わしくなく、撤退するか否かの瀬戸際で、遠藤宏治社長は、売れるまであきらめない姿勢で突き進みました。そして、現在では世界的に有名な旬がアメリカを起点として売れ続けています。

就活生には、”あきらめなかったこれまでの経験”が採用の場面で問われていくのだと思います。考動というのは、今回の番組での社長のコメントがヒントになりそうです。

現在の岐阜県関市が刃物の3つのSと言われているのは、時代の流れにあわせて使い手の要望に合わせてカスタマイズしてきたから。時代とともにニーズは変わる。その変化の気配を見逃さないことが大切なのだと遠藤社長はおっしゃります。昔は「野鍛冶」という鍛冶屋がいて使い手のいろいろな要望を聞いて顧客の背格好や使い方にあわせて包丁をカスタマイズしていたという。

そうした「野鍛冶の精神」を貝印では大切にしています。世の中の状況、顧客の嗜好はドンドン変わる。

「こうした変化に対応することというのは、言葉では簡単に言えるけれど、とっても大変なこと。どのようにしてきたのか?」のインタビュアーの村上龍さんに問われて、

毎日毎日、世の中の動向や社員の気持ちや顧客の意見に耳を傾ける意識を持つことで、できるのだとおっしゃります。

「”気配り”とよく言われますが、気配りを2文字にするとそれは”気配”になりますね。気配りをしながら、変化の気配を感じるのが企業経営では大切。」と仰ります。

企業単体での貝印の例年の新卒採用は7名程度。3年後離職率は22.2%。2014年度の新卒採用では1月にオープンセミナーの案内を公開しています。12月からエントリーを開始している年もあるようですので、企業ホームページのチェックが必要です。今年の採用の流れは、

会社説明会(4月中旬) → 書類選考(エントリーシート・履歴書) → 適性検査(5月上旬) → 一次面接(5月上旬)
              → 二次面接(5月中旬) → 三次(役員)面接(5月下旬)    → 最終(社長)面接(6月中旬)
となっています。(中小企業では上場企業のような就活の規制の縛りがないことが多いです)

採用実績校:

□技術・研究・開発:カイインダストリーズ(株)
愛知工業大学、茨城大学、岡山理科大学、関西大学、岐阜大学、近畿大学、金沢大学、山形大学、山梨大学、秋田大学、信州大学、神奈川大学、静岡大学、静岡文化芸術大学、大同工業大学、中部大学、東海大学

就活のヒントになれば幸いです!