たとえば、こんな人生があったとします。
あなたは、こどもの頃から、学業優秀で、お受験といった特別なことも、とりたてて意識することもなく、有名幼稚園に入園しました。とても友達も沢山できて、いまでもその中には腹を割って話しのできる旧友との付き合いもある。小学校も超有名な学校に、特別な苦労もなく入学し、中学、高校では部活動で部長などもしてきました。

家庭も父親の経営する会社が順調で、毎週、父親の顔の利く名店で家族そろって会食をする。あなたは、生来の頭脳と多少の努力で最高学府に入学し、大学で知り合ったパートナーと目出度く25歳で結婚します。国家公務員試験に合格して、社会的は地位も得ます。こどもも少子化の世の中で長男長女次男次女、同じ敷地で別棟の高級住宅街で3世代が幸せに過ごしています。

あなたの職場には、とてもあなたを大切にそれでもときには、大切な助言をしてくれる信頼の置ける、仲人の上司がいて、的確で端的なあなたの指示で、そつなく、時には、あなたの想定していた以上の、センスある提案をさりげなくあげてくる優秀な部下がいる。家庭も円満職場もすべてがうまくいっている。

たとえば、こんな世界があったとします。
ジョンレノンのイマジンで歌われているような世界です。あの歌で歌われていることが、ホントに実現してしまった世界です。世界のすべての人がのんびりと、笑いながら、何の悩みもなく、周りには信頼の置ける友達のような人々。電車に乗れば、始めてあったその方と気さくに話しをして、お互いに「いってらっしゃい、」と手を振って別れる。

もしかしたら、こうした幸せのイメージに少しでも近づけていくために、世の中は回っていて、人々も生きているのかもしれません。もちろん、そうでないひともいます。
若いときは、ジョンレノンのイマジンが好きでした。いまでも。出来ない世の中だからうまれた歌なんですね。

ここからは想像をもうすこし膨らませます。
ホントにそうした人生をあなたが生きたり、そうした世界を生きている。からだの苦痛もこころの痛みもない。想像してみてください。こんな素晴らしいことはない、と思われますか。ひとによるかもしれません。うまれてから死ぬまでです。毎日のすべての時間が満ち足りている。ジェットコースターで落下しないんです。ただただ上昇したり、まっすぐに進んでいくようなイメージかもしれません。

これほど、つまらない人生・世の中もないな、とわたしには思えます。やることないですから。課題とか問題とかがない。やりがいになることがなにもない、そうした人生や世の中です。いやです、わたしなら。気づかないですから、自分の問題に。ジョンレノンのイマジンという歌が歌われない世界です。日常で実現されているので。

あなたが、うまれてから、徐々に成長して歩けるようになる。なんども転びながら、歩き方が自然に身に付いたんですね。もちろん、わたしも。スキーをされたことがありますか。わたしはうまい方ではないんですが、最初は思いもよらぬ方向にスキー板という別な生き物に引き込まれるようにして転んでしまいます。

北野武氏がまだ、事故を起こす前の、バラエティー番組で、フトこんなことを漏らしていたことを思い出します。
「人間ていうのは、うまくいかないから一生懸命に生きるんだよね。」
たしか、くだらないバラエィー番組で所ジョージ氏に、普段どおりの軽い感じでポロリと話していた場面で、です。凄いことを考えているなと、いまでも思い出します。